Google

151月2010

ロイターのウェブサイトに「米グーグルが中国撤退を検討、マイクロソフトとヤフーも追随か」という記事が載っている。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13320120100113?pageNumbe...

中国当局のインターネットの検閲、活動家のGMailアカウントへの攻撃などについて、当局側との交渉が失敗したら、中国での事業から撤退するかも、という内容。日経も1/14夕刊で報じている。

中国のインターネットは、「警警・察察」がフィルタしていて、体制批判につながるようなサイトにはつなげられない。もっとも、「警警・察察」の壁を越えるプロキシもあって、完全ではないのだけれど、とにかくガチガチにブロックされている、と。

中国では、百度 http://www.baidu.jp/ という検索サービスが大きなシェアを占めていて、マイクロソフトやなんかも中国マーケットに食い込もうと必死。ただ、中国で検索事業を展開するとなると、検閲だとか当局の要請だとか、いろいろややこしいことに応じなければならない。
それでも法律の枠内での要請なら、受け入れなきゃいけないのだが、今回はGMailのアカウントに対して当局と見られる攻撃があったとかで、「そりゃ、ないだろ」ということらしい。

Googleは、資本としてはなかなかエゲツない会社で、特にプライバシーの面で強い批判を受けている。しかし、顧客のデータの秘密は、Googleにとっては飯の種。いくら当局の要請でも、創刊単に顧客のデータを簡単に渡してしまったら、Googleのユーザーは逃げ出してしまう。ユーザーのデータをかきあつめ、適当に料理してGoogleがおいしく食べる、というのがGoogleのビジネスなのだから、飯の種が逃げ出すようなことはできない。
マイクロソフトなんかだと権力は重要な顧客なので、そのへんは適当にやっているんだろうけど、Googleにとって権力はメインの顧客ではない。だから対権力という部分では、Googleのサービスは比較的信頼できるし、実際、表面的には(実際にはわからないけど)なかなか頑張ってると言ってもいいと思う。アナルコ・キャピタリズムって言うのか、ある意味、ラジカルである。

ただ、インターネットみたいにアナーキーな世界では、問題は、「国家権力」だけでなく、民間の権力、つまり強大なGoogleみたいなサービス、マイクロソフトのようなIT企業もまた現実の「権力」だということだ。
よくマスコミを第四の権力なんて言うけれど、歴史のあるマスコミはそれでも民衆に監視されている(と思う)し、自分自身が第四の権力であることを自覚している(と思う)。それに対して、Googleやマイクロソフトのような企業は、いわば野放し状態に近い。それどころか、国家権力とは勇ましく戦う活動家も、こうしたソフトな権力には進んで身を任せてしまう。

実用上、信頼できるんだったらそれでいい、という人もいるかもしれない。便利に使えるものは使えばいい、という人もいる。
所詮、この資本主義の世の中で生きている以上、巨大資本の影響から自由ではなく、それらを拒否しろとか言ってもはじまらない。ただ、それらが持つさまざまな問題、特にインフラ的な側面を持つ検索をはじめとするオンラインのツールは、一定の「公共性」を求められるということだ。
中国当局の検閲も、そうしたインフラの持つ「公共性」から出発したものであることを考えてみなければいけない。特にメディア活動家という種類の人種は、このへん、もっときちんと考えなきゃいけないと思う。

Googleの問題は、Googleの中で何が行われているのかがわからない、不透明なところであって、Googleをコントロールできるのは大株主だけだということ。
中国当局の問題は、党上層部で何が起きていてるのかがわからない、不透明なところであって、中国当局をコントロールできるのは党幹部だけだということ。
今回の中国当局とGoogleの葛藤は、不透明な権力同士の覇権争いみたいなもんで、まあ、勝手にやってろよという気がする。
民衆がコントロールできない権力なんて、どう取り繕ったところで暴力的な仕掛けになるしかないのだ。

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